ハンディにおいモニターOMX-SRMについての臭い測定のよくあるご質問

ハンディにおいモニター

ハンディにおいモニター OMX-SRMのよくあるご質問

ハンディにおいモニターのよくあるご質問

本機でできることは?

OMX-SRMは、エタノールやアセトン、水素などの複合ガスに対して感度が良く、生活臭や工場のにおいの検知、トイレやペット臭の消臭前後の臭いの比較など幅広い用途でお使い頂いております。

本機では測定しているにおいの相対的な変化に応じたにおいの強さレベルをデジタル表示しています。

例えば、ある悪臭の脱臭前後の強度レベルの減衰の様子を見る、またはにおいの発生源から発生する臭気の推移などを見ていただくのに適しています。

また、それらのデータを蓄積していただき、それらを定期的な官能試験のデータと比較対照することでユーザー様固有のテーブル(相関関係表)をお作りいただき、費用のかかる官能試験の回数を減らして、本機による簡易的な計測による日常管理が可能になります。

強度値とClass値(傾向参考情報)の意味を教えてください。

強度値は複合臭のガスの濃度を弊社独自に換算した値、Class値(傾向参考値)は、においの傾向を表しています。

OMX-SRMにはそれぞれ異なるガスに反応しやすいガスセンサが2つ搭載されています。

仮にガスセンサをAとBとし、X軸とY軸をセンサ感度とした場合、X軸とY軸を結んだ際のベクトルを強度値とお考え下さい(下記図を参照)また、センサAとBの出力からベクトルをとった際の角度をClass値(傾向参考値)としています。

OMXシリーズは、あくまでも複合臭を検知するもので、ガスの種類や濃度を特定できる製品ではありませんので、測定中または、日常的に測定頂いている中で、Class値(傾向参考値)が大きく変化した際、複合臭のガス種に変化があったと捉えてください。

検出原理図

同じ対象を測っているのに、測るたびに違う強度、傾向参考値が表示されるのは何故ですか?

次のケースが考えられます。

ゼロ点が測定のたびに変化している場合

においの強度や傾向参考情報値は本機に内蔵された2つのセンサの感度を元に計算しています。そしてこの感度は、それぞれのセンサの清浄空気中抵抗値(RO)と、においを検知したときの抵抗(R)の比(RO/R)として計算されます。ゼロ点とはこの RO のことです。

したがって、ゼロ点がずれていると、感度はもちろん傾向参考情報値もずれてしまいます。

測定対象以外のにおいやガスが混在する場合

測定対象以外のにおい、例えばアルコールのように同じ物質濃度でも官能的なにおいの強さは比較的弱いが、センサに感度の高いにおいが混在したりすると、当然ながら強度や傾向参考情報値の値は測定対象だけの場合とは異なってきます。

測定対象から出てくるにおい成分の濃度などが変化している場合

コーヒーなど固形物や液体から立ち上がってくるにおいは、試料の鮮度、温度、雰囲気の湿度、試料の表面積などによって異なります。これらの要素をそろえて測定してください。

本機のにおい強度表示値と、官能試験による「臭気強度」「臭気濃度」「臭気指数」との関係は?

モニターで表示される値と、官能試験法による「臭気強度」「臭気濃度」「臭気指数」と本機の表示値には相関性はありません。

本機の目的としては、においに含まれるにおい物質(化学物質)に注目し、それに対する半導体ガスセンサの反応・出力を利用して、相対的なにおいの強弱を数値で表すことを主目的としています。その表示される数値はセンサの出力そのものを独自の尺度(係数)から導いたもので、人間の鼻との相関性はありません。

但し、強度値はガスの濃度に比例しますのが、ガスの濃度が高ければ、強度値も高くなります。

画面に表示されているHighレンジとLowレンジの違いは何でしょうか?

OMX-SRMは、においの強弱を、HighレンジとLowレンジの2段階に切り替えることができます。Highレンジは0から999、 Lowレンジは0.0から99.9で強度値を表示します。強度値が低く出ている場合にはLowレンジ、高く出ている場合にはHighレンジでのご使用をおすすめします。

トイレのにおい検知はできますか?

弊社実績から可能と考えますが、アンモニア臭だけに反応している訳ではありません。

トイレには、アンモニア以外にも、さまざまな種類の悪臭成分(硫化水素やメチルメルカプタンなど)が存在していることも多く、それらの悪臭成分に総合的に感度のあるOMX-SRMが推奨されてます。ただし、OMX-SRMはアンモニア単一臭への感度が弱いため、アンモニアのみを検知する用途であれば、OMX-ADMが推奨モデルとなります。

本機のウィークポイントはありますか?

特定の臭気ガスに感度が弱いことです。

特にアンモニアに感度が弱い

できるだけ多くの種類のにおい成分に反応するようにセンサを選択した結果、アンモニアの感度が犠牲になった形になっています。

アンモニア単一臭をモニターする目的には、本機は使えません。但し、アンモニアガスが発生しているような環境では、他にもさまざまな種類の悪臭成分(硫化水素、メチルメルカプタンなど)を含んでいる場合がほとんどです。それらのガス成分には十分な感度を持っておりますので、トータルでの臭気レベルの管理には問題なくお使いいだけるということになります。

個体差(複数の製品での感度の差)がある

感度の個体差が一定の範囲であります。つまり、同じにおいを2台以上で測ったときに数値の一定の範囲内での誤差があります。但し、1台のモニターで同じにおいを繰り返し測定するときの「再現性」があります。よって、1台のモニターでの繰り返し測定による比較は問題なく行うことが出来ます。